スタッフ研鑽記

梶山貴嗣

役職 | 特任講師 |
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研修施設 | 土浦協同病院 |
経験 | 心臓全域のアブレーション治療 |
学び | 多様性に富んだ診療と人的交流、学術的素養 |
「患者さんの期待に応えるため」千葉大学から名門病院に国内留学
私は千葉大学の初期研修医だった2010年の頃から不整脈の診療に興味を持っていました。一般病院で後期研修を始めた当初には、医局長の計らいで当大学の不整脈チームで手技を学ぶ機会も頂きました。
その後千葉大学に帰局して大学院生としてカテーテルアブレーション、ペースメーカなどのデバイスの植込みや心不全治療の臨床および研究を行うなどの研鑽を積んだのち、2015年から2年半にわたり土浦協同病院に国内留学を受け入れて頂きました。まだまだ経験が多いとは言えず、患者さんの期待に応える技術の獲得を目指しての国内留学でした。土浦協同病院は日本で最初期からカテーテルアブレーションを行っている大規模三次救急病院で、現在標準化された心房細動に対する拡大肺静脈隔離を世界で最初に行った施設のうちの一つでした。
部門最年少で先生方に圧倒されるも、今につながる確かな経験
当時、土浦協同病院の不整脈部門では私が当時最年少で、院長の家坂義人先生を筆頭に、「様々」な方面に秀でた「いろいろ」なルーツを持つ先生方に圧倒されたのを覚えています。デバイスを加えれば年間1000件を超える手術件数を支える医師たちだけでなく、コメディカルのスタッフの洗練された診療技術も目の当たりにして、自分の発展に必要な環境に巡り合えたと感じた事を覚えています。当時は心房細動に対する冷凍バルーンカテーテルが国内導入されたばかりであり、その手技技術の勉強に加えて臨床データの論文化を目指し、昼夜を問わず解析を行う日々でした。未熟な自分でしたが、周囲の先生に大いに助けてもらいながら、国内・海外学会での多くの発表機会を頂き論文の執筆をさせていただくことができました。さらに心房だけでなく心室性不整脈の治療でも著名な先生が複数在籍しており、全方位的にアブレーションの研鑽を積むことができたのは協同病院の多様性あってこそでした。これらの経験がなければ現在の自分の治療技術は無かったと言えます。

「多様なキャリアパス」が不整脈チームの強さ
隙のない治療はなかなか一人だけではできません。当院の不整脈チームはそれぞれ大きく異なったキャリアパスを経た人間が集まって診療を行っています。自分の特色を生かしてすべての患者さんに私の経験を還元できることを目指して日々診療と後進の育成に当たっています。
千葉大学大学院医学研究院不整脈先進医工学 梶山貴嗣