スタッフ研鑽記
菅原暢文

| 役職 | 特任助教 |
|---|---|
| 研修施設 | Cleveland Clinic, Ohio, USA |
| 経験 | 新規カテーテル開発のトランスレーショナルリサーチや臨床研究 |
| 学び | 電気生理学の再探究、学術的素養、国際的視座の獲得 |
動物実験を通して実感する電気生理学の奥深さ
私は2022年11月から2026年2月までの3年3か月間、世界屈指のハイボリュームセンターである米国オハイオ州のクリーブランドクリニック循環器内科にリサーチフェローとして留学させていただきました。指導医である中川博先生のもとで、開発段階のマッピング・アブレーションカテーテルの精度や安全性・有効性を評価するための橋渡し研究(基礎研究の成果を実際の治療に応用するための研究=トランスレーショナルリサーチ、または前臨床研究:プレクリニカルスタディ)に従事しました。日本で動物実験の経験はなく当初は苦労も多かったですが、研究を通じてカテーテルマッピングやアブレーションの基本原理、心臓の解剖・電気生理を学びなおす貴重な機会になりました。

基礎・臨床研究の世界に身を置いて見えてきた研究者の姿勢
橋渡し研究以外にも複数の臨床研究に従事しました。研究は、データ収集・解析➡プレゼンテーション➡PIとのディスカッション➡追加のデータ収集……というプロセスの繰り返しで、最終的に論文として執筆します。研究に新規性・臨床的意義があることも当然重要なのですが、論文のレビュアーや読者を納得させるためには、一目瞭然な図を提示することや首尾一貫し根拠が明確な理論の展開も重要です。3年間で多くの研究に従事し、科学研究のいわゆるお作法やしきたりを身に付けられたように感じます。さらに1つの論文を執筆するには関連する文献を20-30篇読む必要があり専門知識が深まると同時に今後の研究のアイデアも生まれました。
また、さまざまなバックグラウンドを持つ優秀な欧米の医師・研究者の合理的な思考や失敗を恐れずチャレンジする姿勢には多くの刺激を受けました。同時期に米国留学していた同世代の日本の先生方との交流もあり、それらのつながりは今後の学術活動に活かしていきたいと考えています。

「遠きに行くは必ず近きよりす」の教え
留学して得た新たな知見を今後の日本国内での臨床医療や学術活動に活かすことが重要だと考えています。米国と比べ、日本は医療に限らず様々な分野でリソースが不足し、言語の壁などのハンデもありますが、私の指導医がそうであったように、地道な研究を続けることが世界への大きな発見につながるかもしれません。引き続き研鑽を積んでいきたいと思います。
千葉大学大学院医学研究院循環器内科学 不整脈先進医工学 菅原暢文